2006年10月22日

[VOL.4]シャッター速度と絞りの選択

シャッターを押す前に決定すべき代表的なパラメータは以下の3つである。

(1)ピント
(2)絞り
(3)シャッター速度

この3つは、ピントと絞り、絞りとシャッター速度、とが関係しており、詳しくは、前々回前回に記載した。
適切な露出が決まっても、シャッター速度と絞りの組み合わせは複数ある。
どれを最終的に選択するかの方法は、大きく以下のアプローチがある。

1.シャッター速度から考える


シャッター速度が速い場合、遅い場合で、撮れる写真には大きく違いがでる。
いまから撮りたい写真は、どんな絵作りをするかで、遅めに撮るか速めに撮るかを考える。

シャッター速度を大きな値(速め)にするメリット

(1)被写体が動いていても、停止しているように取れる。

流れる水、落ちてくるもの、走っている子供などを、ある瞬間の静止したような絵が撮れる。

(2)手ブレの防止

シャッターが開いているとき、被写体が静止物であっても、カメラがゆれてしまうと画像全体が揺れてしまい、ぼやけてしまう。手で持って撮影するときは、よほど気をつけても1/10秒より遅い露光時間はしないほうがいい。

シャッター速度を遅め(小さな値)にするメリット

(1)被写体を流す

動いている被写体をカメラで追いかけて撮ると、被写体がとまっていても背景が流れて、流動感や躍動感のある絵となる。被写体の動きを追いかけるには、練習が必要だが、スポーツ撮影ではよく使われる。


(2)軌跡を残す

動いている被写体の軌跡を残せる。暗闇で振っているライトや、夜の道路を流れるテールランプなどの、動きの跡が残り、時間の経過や光の美しさを表現できる。人間の視覚では捉えられない映像を残すことができる。

2.絞りから考える

前回に説明したように、絞りを開く(値を小さくする)と、ピントの合う範囲が狭まり、絞りを閉じる(値を大きくする)と、遠くまでピントが合うようになる。

絞りを大きな値(閉じる)にするメリット

(1)背景など無限に遠くまで、はっきり撮りたいとき。

(2)前後一列に並んでいるものを、前から後ろまではっきり撮りたいとき。

絞りを小さな値(開く)メリット

(1)背景が雑多なものがあり、整理ができず、被写体だけを目立たせたいとき。

(2)光の量が少なく、全体的に暗い場所で撮影するとき、手ブレを防止するためにシャッター速度を速めたいとき。

3.AvモードとTvモード

シャッター速度と絞りを人手で設定するマニュアル撮影をするときでも、撮影者はおおよそ上記のようなメリットを考慮して、シャッター速度か絞りのどちらかから決める。
そこで、撮影者が絞りかシャッター速度のどちらかを決めてしまえば、撮影するものが決まっているとき、その明るさもほぼ決まっているはずなので、カメラは対応する相方を決めることができる。
ひとつのパラメータを決めれば、その場の明るさに応じて、もうひとつのパラメータは自動で決めてくれるのが、AvモードとTvモードだ。

(1)Avモード

絞り優先AEモードといって、EOS Kiss DNの場合は、モードダイヤルに「Av」と書かれている。
モードダイヤルをAvに合わせて、電子ダイヤルで絞り値を決めれば、シャッターを押した瞬間の露出を計測して、自動的にシャッター速度を標準露出に合わせて撮影してくれる。

(2)Tvモード

シャッター優先AEモードといって、EOS Kiss DNの場合は、モードダイヤルに「Tv」と書かれている。
モードダイヤルをTvに合わせて、電子ダイヤルでシャッター速度を決めれば、シャッターを押した瞬間の露出を計測して、自動的に絞りを標準露出に合わせて撮影してくれる。

どちらのモードを使うか、そしていくつに合わせておくかといったことを、状況・目的に合わせて考えていけばいい。

さて、いままでは最適な露出があり、その中からシャッター速度と絞りの組み合わせを選ぶかという観点で話を進めてきた。
では、最適な露出とは、どういうことをいうのか。自動で選ばれる標準露出とはどう違うか、といったことを次回に解説する。



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