2009年09月15日

藤子・F・不二雄の作品で好きなものは?

藤子・F・不二雄先生の作品といえば、やはりドラえもんをあげたいところではあるが、『エスパー魔美』や『T.P.ボン』(タイムパトロールボン)、『みきおとミキオ』など、大好きな作品は数知れずあり、とても選びきれない。

ここではひとつ、SF短編のほうから選ぼうと思う。
藤子先生のSFの定義は、「すこしふしぎな物語」で、SとFである。
SF短編は、wikipediaによると112話あるらしい。残念なことに全部読んでない。
いずれ全集を揃えたい。

短編は、いろいろな媒体に発表していたこともあり、少年ものから大人ものまで、読者対象が幅広く分布している。
ジャンルも、『劇画オバQ』のようなちょっとパロディーっぽいものから、『女には売るものがある』という、ちょっとアダルティなものまで、さまざま。

どの作品も、SFマインド満載で、傑作なのだが。
あえて、好きなもの3点を紹介したい。

第3位 『T・Mは絶対に』
T・Mとは、タイムマシンのこと。
ある博士がタイムマシンの発明に成功する。
しかし、ある事実を隠蔽したい助手に裏切られ・・・。

多かれ少なかれ、タイムマシン開発の現場では、この話のようなことが起こるので、結果的にタイムマシンは永久に発明されないであろう、という皮肉った話である。
どんな科学的理論を操って、タイムマシンは不可能だ、と述べるより説得力があり、衝撃出来であった。

第2位 『宇宙人レポート サンプルAとB』
ある異星人により、地球侵略を行うか否かを決める会議が
行われている。
そこで報告される地球人の奇怪な生態。
はたして、会議の結果、人類は生存を許されるのであろうか。

人間を、まったく別の視点から客観的にみたら、どうなのか、という思考実験である。
この作品のおかげで、現実を見る視点がちょっと変わったような気がする。

第1位 『ひとりぼっちの宇宙戦争』
主人公の少年は、ある日突然、全地球人類の代表に選ばれた。
そして、同じ知力・体力を持つ、自分のコピーと命をかけて戦うこととなる。
もし自分が負ければ、その時点で人類は滅びてしまうのだ。

平々凡々の少年の日常が、突然非日常へと変貌するという感覚は、藤子先生のすべての基礎となっていると思う。
それが、端的に表現され、読者である自分と等身大の主人公にすごく自然に溶け込んでしまう。
とても藤子先生の作品らしい話であり、でも読んだ当時、もし自分にこんなことが起きたらと想像すると、とても怖く、衝撃的でもあり、強く印象に残っている。
この作品を一番にあげたい。



sylphide_ffr31mr at 23:14コメント(0)トラックバック(0)ドラえもん  

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